学会長挨拶

第20回静岡県理学療法士学会
学会長 早川 和秀(共立蒲原総合病院)

1990年に第1回静岡県理学療法士学会が開催され、今回20回という節目を迎えることができましたのも、皆様のご支援の賜物であり感謝申し上げます。

私が理学療法士になったときの目標は、「患者さんの身体を良くしたい」でした。理学療法士の置かれている立場が時代に合わせて変化しても、その目標は今も同じです。患者さんの出来ることが増える事で、職業に対するモチベーションが高まり、現在まで仕事を継続することができたと思います。

では、患者さんの身体を良くするという事はどういうことでしょうか。日本理学療法士協会は、理学療法士を一言でいうならば「動作の専門家」と表現しています。寝返る、起き上がるなど日常生活を行う上で基本となる動作の改善を目指すこと、まさにこれが臨床での我々の仕事の基礎であると思います。特に歩けない人が歩けるようになるということは、その後の人生に大きな影響を与えます。患者さんが生きているという実感とともに自らが目的を持って社会参加ができるようになること、その一助となり得ることが我々の仕事と自負しています。

今回本学会テーマを「臨床家たち、基礎に立ち返れ」としました。臨床1年目から治療技術にばかり走るのではなく、動作の改善にむけ基礎を固め、分析能力を磨ける学会を目指しております。また、医療・福祉・教育・研究・予防・スポーツなど多様な分野で活躍されている方々も基礎に立ち返っていただき、地域住民に知識や技術を還元できる理学療法士であって欲しいとの願いを込めました。

さらに、サブテーマを「新たな視点の探求」とし、基礎研究を中心に活躍されている中部学院大学教授 林典雄氏、畿央大学教授 森岡周氏をお招きし、基礎に立ち返りながら、新たな視点を学べるような講演を企画致しました。また20回記念講演として日本理学療法士協会会長 半田一登氏をお招きし、今後の理学療法士のあり方などを考えることができる企画を設けました。

本学会は20回の節目となる学会であることから、多くの方のご参加により、静岡県理学療法士会が発展できる学会となるよう、準備委員一同真心込めて準備して参ります。今後とも、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。